ホテル・アイリス / 小川洋子

そういえば、三四郎の前に「地下室の手記」「貧しいひと」 / ドストエフスキーに挑戦して
挫折してます
軽いの飽きたらリベンジする~

小川洋子
もうね 茂木さん(「意識とは何か」)とか疲れるんだよね!
ページを繰る指が淀まないっていいね。
やっぱり好きですこのひと。
心地よい音楽を聴いてるような感じ。

今回の話はちょっとびっくりした。
下品にいうと、老人と少女の、SM。
異常な組み合わせなはずなのに、すごくエロティックで甘美だった。
描写は細かくなされてて、露骨で醜いはずなのに、上品で美しかった。
そしてやはり物語全体が、寂しくて、悲しかった。
また救われない結末だった。
あんなにふたりは愛し合ってたのに。
奇異な組み合わせだったし 愛しあい方もお互い変わっていたけれど
確かに、求め合っていたのに。
老人は海に沈んでしまう。
少女にとっては、この方がよかったのだろうか?
未来のない変人の老人に、痛めつけられる愛を悦んでいるよりも。
そう、だろうか。

こんな異常な愛を描いても、彼女の文章は透明。
かなりあからさまな性描写をしているのに、静かで悲しい。
それがすごい。

 

ホテル・アイリス (幻冬舎文庫)

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