愛は束縛 / サガン

先日の記事に拍手とコメが!
ブログを書いて、それに反応があるというのは、

嬉しいですねこれ!


「愛は束縛」ですが、面白かった。
98%寝てしまう電車内で、寝ないで読み続けていたので
だいぶ面白かったんだと思う。


あ。
「あたし彼女」もみました

斬新な

書き方も

まあ

ありじゃないの

みたいな

小説と呼ぶのはちょっと嫌だけど。
書籍化には、全力で反対です。


感想は「あたし彼女」ではなくサガンの方

 

売れないピアニストのヴァンサンは
大富豪の娘であり、美しく気品あふれるローランスに養ってもらう結婚生活を送っていた。
が、ある日ヴァンサンの曲が映画に起用され、「流行歌」として一世を風靡。
莫大な金を稼いだと同時に、結婚生活、人間関係の歪みが際立ってくる。

ある夫婦が破局へ向かう、なんて筋なのに読む手が止まらなかったです。意外です。
登場人物たちがとても生き生きしていて魅力的。
鋭くて、ユーモアのある文章が好きでした。

甘い香水の香りと、デコラティブで高価な調度品、薔薇のような妻。
そんな結婚生活と
仲間と笑いあいながら酒を飲み、ギャンブルの一瞬の夢を楽しむ。
ヴァンサンがいう自由な生活。

なんていうか
人間のエゴイズムとか欲望とか、それは絶対なくならないもので

「僕は愛されてはいない、彼女は支配したいだけだ」
とヴァンサンがぼやく。
確かにローランスは、彼の交友関係も、服も、趣味も、そして彼の金も彼自身も
すべて支配しようとしていると、私も思った。

「あなたにはわからない、私はあなたがいないと生きられない」
と、最後にローランスが泣き叫ぶ。
彼女は愛してなかったわけじゃない、と思う。
愛しい人の全てを奪って、自分が全てを与えることで
自分のもとに繋いでおこうとした。
不器用で可哀想なローランス。哀れなひと。

激しい気持ちは、支配欲と似てる。
自分でもこれが、「愛」と呼ばれるものなのか、醜い独占欲なのかわからなくなる。

愛は相手のためを思うことだ、その人の幸せを望むことだ

 
ヴァンサンがいうような、こーいう愛がたくさんあるといい、と思う。

ほかの作品も是非読みたい方でしたん
春樹さんスルーしてるんですけどどうしよう

 

愛は束縛 (新潮文庫)

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