「この字を書いてある所だけが詩なのかい?」

―『さようならギャングたち』 p.52


遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

今年の4月からはついに新卒社会人として働くわけですが
(すでに今月から内定先には週4くらい出てるけど)
まあ2012年も飲んだり騒いだり楽しく笑っていられればいいなと思います、はい。

年越しは例年通り幼馴染2人と。
今年は六本木のクラブでかうんとだうん―!!!
楽しかったけど、12時前後はあまりに人多杉なので多分二度と行かない^^

こないだの日曜はダーツの大会!
さいたまスーパーアリーナにて、Road to Okinawa2ヽ(・∀・ )ノ
あたしは彼氏とダブルス組んで、Cフライトに出させてもらったんですが
如何せん2人ともraiting3とかなので、2勝2敗であえなく予選敗退;;
でもすっごく楽しかった!!!!

なんと同じCフラで出場してた身内の子たちが優勝しちゃって
もう大興奮
こっから決勝戦動画見れます(*´艸`)

おかげでダーツ熱また上昇ですよ
飽きやすいあたしの割にはハマってますねほんと

今週末はスノボ!
昨年は就活で1回しか行けなかったから、今年はもうちょと行けるといいなー


続きは久しぶりの読書感想~

 

卒論が終わってから、久しぶりに趣味の小説をよく読んでまして
この1ヶ月弱で4冊読了ー。
ちょこっとずつ感想書いていくです

「四畳半神話体系」 / 森見登美彦

前にアニメで見て、一度原作を読みたかった。
森見さんの独特の言い回し、久しぶり。やっぱり好きです。
そしてアニメがどれだけ原作に忠実に再現してたかわかった。
よくまあ、あんだけ語数の多い面倒くさい言い回しも、省かず喋ってたなあと。
ジョニーの回がアニメ以上に面白かったw

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

 

「さようなら、ギャングたち」 / 高橋源一郎

前からずっと読んでみたくて、なんとかAmazonでゲットした本。
何でか知らんが絶版なのよねえ

なんというか、ブっとんだ話。
あの訳のわからなさは、安部公房っぽいかも。いや、それ以上かなー。
前後のつながりが見出せない突飛な文章が出てくること多々。
でも何だか惹きこまれる。
物語終盤、恋人を失った主人公と猫の描写はとても悲しい。
小説全体がずっとユーモラスな文章で可笑しく描かれてるんだけど
喜劇のようで悲劇。もしくは、悲劇のような喜劇?

変わった小説だけど、すごく素敵な言葉がたくさんあった。
最後に転載する。

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

さようなら、ギャングたち (講談社文芸文庫)

 

 

ボトルネック」 / 米澤穂信

最後の解説で知ったけど「インシテミル」の人なのね、この著者。

恋人の事故現場に来ていた主人公・嵯峨野リョウが、リョウが存在せず、代わりに嵯峨野家に生まれた「姉」の生きる別世界へ飛んでしまうという話。
リョウは自分のいない世界のほうが、元の世界より上手くまわっているコトを知って打ちのめされる。
パラレル・ワールドかな。
文体はラノベのように「」が多く、軽い感じ。
なんだろうな、あまり面白くなかった。
例えば「姉」であるサキがなぜあれほどリョウと真逆の性格であるのか、
なぜフミカがあんなに歪んでいるのか、とか一切言及されない。
もちろん環境と関係なく生来の性格というものはそれなりにあると思うけど
(本文でもそんなコト言っているシーンはあったけど)
それにしても説明不足ではないかと。

最後がハッピーエンドでなかったのはよかったが。
まあこれでハッピーエンドだったらご都合主義すぎるし、”ボトルネック”っていうタイトルの意味もなくなるからな。
一言で言っちゃうと、嵯峨野リョウが己の存在意義を別世界に行って見失う、というだけの話。

ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)

 

 

「Y」 / 佐藤正午

佐藤正午は短編集「人参倶楽部」が面白かった記憶がある。
そしてこれも、「ボトルネック」同様”時間”が関わる小説。
たしか「ボトルネック」や「Y」を買って積読に加えた時期、あたしシュタゲにハマってたのよねw
「四畳半神話体系」もパラレルワールドな話だけど、これはたまたま読むタイミングが近かっただけ。

”別の時間軸で”親友だった北川健という男から主人公・秋間に送られる手紙と、秋間の視点で交互に物語は語られていく。
「18年前に起きた電車の事故で好きな女の人生を狂わせたと思い込み、後悔し続けて生きてきた。だから18年前に戻ってやり直し、今二度目の1998年に自分はいる」
と手紙の中で北川は語る。
突然知らない男にそんな告白をされて戸惑う秋間だが、手紙を読み進めていくうちに否が応にもその話に引きずりこまれていく。
そして最後は、もう一度過去へ飛ぶ北川を目の前で見届けることになる。

北川視点だけ見たら、いわゆるループものの悲劇。
しかし小説は、そういう居心地の悪さを残しているというより、”縁”の不思議な力を描いてるように思う。
北川にとって1回目の18年間で深く関わった人々は
2回目の18年間でも関係を変えて近くに存在している。
あと、”因果関係”。
普段意識なんかしないけど、起きた事柄にはすべて原因があるんだよなあ、と改めて思わされたわ。
まあ北川がループをした理由の水書弓子は、それをすべて”強運”で片付けてしまうのだけど。
皮肉だね。

Y

Y

 

 

4冊分も書いたのでめっちゃ長文になってしまったけど、最後に「さようなら、ギャングたち」のステキ文たちを。

「ベッドは、その中で愛し合うか、なにもしないで手をつないだまま眠るか、横倒しにしてバリケードにするか、それ以外に使うべきではないとわたしは思う。」

 

「S.Bの魂については、何も知らない。自分のだって知らない。
そんなものは無いかもしれない。あるとしたって、何の役に立つのか全く見当がつかない。
どうせキスするなら、魂とより唇との方がずっといいとわたしは思う。」

 

「詩を書くということは、実際病的なことだ。だからといって、病人は詩人になれない。」